2012年3月9日金曜日

浮気が巻き起こす悲劇喜劇

■新国立劇場オペラ研修所公演
「フィレンツェの悲劇」&「スペインの時」
[2012年3月9日(金) 新国立劇場・中劇場]

ツェムリンスキーの世紀末耽美的な「フィレンツェの悲劇」と、
ラヴェルの小粋な小品「スペインの時」という、
妻の「浮気」が巻き起こす恋愛悲劇&喜劇を描いた、
珍しいオペラの2本立て。

研修所公演の演目に、なんでこの作品?
と思ったが、プログラムに載っていた
オペラ研修所長・木村俊光先生のメッセージで納得。
修了生の男女の人数という数量的な理由のほかに、
ポピュラーな演目と違い、CD聴いても勉強できず、
譜読みから取り組まなければいけない作品を選んだ、
とのこと。
要は、安直に勉強せずに、
作品そのものに真剣に取り組め、ということ。

その厳しい課題を前にして、
出演者の面々も、なかなかの敢闘賞ものでした。

ただ、舞台表現は少々「折り目正し」すぎたかな。
研修生公演だから仕方ないのかもしれないが、
もう少し自由で柔軟な動きや造形があってもよかったんじゃないかな。
ま、それは今後のことか・・・。

演出は、三浦安浩氏。
フィレンツェとスペインの、恋愛「悲劇」と「喜劇」を、
ヨーロッパの「どこか」、古の都の出来事として造形。
そのために、両作品の前に「プロローグ」を創作していたが、
これが少しばかり長かった。
もう少しコンパクトかつテンポ良く作ってくれれば、
すんなりとオペラ「本編」に入っていけたのに・・・。
情報量が多いわりには、よく解らないものになってしまっていたのが残念!

オケは、飯守泰次郎指揮の東京シティ・フィル。
飯守マエストロの手堅いサポートで安心感はあったが、
オケの音が、
ツェムリンスキーではもっと濃厚に、
ラヴェルではもっと洒脱に響いてくれたら良かったのに・・・。

それはそれとして、
新国立劇場ならではの、
貴重なオペラ・プロダクションでした。

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