フィリップ・グラスのオペラ「サティアグラハ」を観た。
主人公はガンジー。
彼が南アフリカで人種差別に直面し、「非暴力・非服従」による抵抗運動を繰り広げていく様子を描いている。
歌詞はサンスクリット語によるヒンドゥーの聖典「バガヴァッド・ギーター」の言葉。
歌詞と舞台上の出来事には、なんと!「関連性が無い」
「意味にとらわれず音として体感される歌詞と、歌詞の影響を受けずに語られる物語」というのが作曲家グラスの意図らしいが、解ったような解らないような・・・。
でも、音楽が始まってみると、彼独特のミニマル・ミュージックが温浴効果のようにジワ~ッと体にしみ込んできて心地よい。
終わってみれば、執拗に繰り返されていた「音楽」を知らず知らずに口ずさむ自分がいた。
オペラやコンサートが終わって、そこで体験した音楽が自然と口をついて出てくる、というのは、まさしく「音楽が素晴らしかった」ということに他ならないのでは?
出演者の中では、主役のリチャード・クロフトが音楽の中でガンジーになりきっていて素晴らしかったのは言うまでもないが、Miss Schlesenという役を歌ったソプラノのラシェル・ダーキンRachelle Durkinの存在感と歌唱が見事!この人、何年か前の「セヴィリアの理髪師」のライブビューイングで観た記憶があり、ロッシーニのブッファでの異彩ぶりが気に入っていたのだが、フィリップ・グラスのミニマル・ミュージックに乗った重唱やソロでも充分に強烈な個性を発揮!Brava!
新聞紙を使った巨大な操り人形やフライング、シルエットなどで、このオペラを視覚的に面白く仕立ててくれた助演12人の演劇カンパニーがBravi!
このオペラの各幕を象徴するもうひとつの歴史的人物たち(トルストイ、タゴール、キング牧師)を黙役で視覚化していたのも彼ら。
この思想的な題材のオペラが、助演グループの動きによってどれだけ「スペクタクル」な「エンターテイメント」に仕上がっていたことか。
そして、フィリップ・グラスの音楽をピットの中でよく「落っこちもせず」演奏してのけたオーケストラにも拍手!やっぱり音楽は「生に限る!」
MCは、「指輪」でアルベルヒを演じているエリック・オーウェンス。
ライブビューイングMCデビューなんじゃないかな?
バス・バリトンの心地よい声で、誠実にきちんとした進行で好感が持てました。
こちらもBravo!

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