METライブビューイング2011-2012シーズンが始まっている。
第1作目、ネトレプコ主演の「アンナ・ボレーナ」は日程の都合がつかずパス。
そのうち、アンコール上映かNHK-BSでの放映があるだろう・・・。
というわけで、この「ドン・ジョヴァンニ」で個人的にはシーズン開幕。
この世は醜く汚いけれど・・・ワクワクしてちっとも飽きない。
天国は穏やかで安らかかもしれないけれど・・・退屈。
ドン・ジョヴァンニもモーツァルトも、そんなふうに感じてたんじゃないかな。
ドンナ・アンナ&ドン・オッターヴィオ
一年喪に服してからと結婚したとしても、
善良なだけのドン・オッターヴィオの暮らしに、
ドンナ・アンナが悦びを見出せるだろうか・・・退屈だよ。
ドンナ・エルヴィーラ
修道院に入るって・・・?それしかないよね。
最後の男と期待したドン・ジョヴァンニをモノにできなかったんだから。
ツェルリーナ&マゼット
労働に明け暮れる農村での生活。
子供をたくさん作って、純朴に暮らすのが一番かもね。
レポレッロ
ドン・ジョヴァンニには腹が立つけれど、
彼以上に刺激的で魅力にあふれた主人なんか、
どの酒場を探したって見つからないよ。
ラストの六重唱を聴いていると、いつもそんなことを感じてしまう。
それまでも波瀾万丈で破天荒なドラマに比べて、
宗教曲みたいだし、演技の仕様もないもんね。
ただ、歌い終わって舞台奥に向かって退場する幕切れは、
6人6様「別の道」を歩んでほしかったな。
順序が逆になったが、
ドン・ジョヴァンニの地獄落ち。
本火とスモークを多用して派手な演出。
このくらい大がかりにやってくれないと納得しないよな。
さすがMET。
大いに納得させられる演出効果でした。
出演者では・・・
ドン・ジョヴァンニのマリウシュ・クヴィエチェン、
動きが軽く、細かい演技も見事。
見た目にも色気と悪の要素がバランス良く格好いい。
Bravo!
ドンナ・アンナは、マリーナ・レベッカ。
ドンナ・エルヴィーラは、バルバラ・フリットリ。
ツァルリーナは、モイツァ・エルドマン。
三者三様、年齢や境遇、品格の違いが出ていて納得。
ドンナ・アンナとドンナ・エルヴィーラなんか、
どっちがどっちだかわからなくなる時があるもんね。
ツェルリーナは、上流階級に「見えない」ところがいい。
レポレッロのルカ・ピザローニ、
体が大きく、生活力ありそう。
ドン・ジョヴァンニとの丁々発止の演技が見事。Bravo!
騎士長のステファン・コツァン、
押し出し堂々としてBravo!
マゼットのジョシュア・ブルームは、
もう少し田舎っぽいほうが良かったかな。
ドン・オッターヴィオのラモン・ヴァルガス、
「人はいいんだけれど役に立たない」情けなさ?がBravo!
演出はマイケル・グランデージによる新演出。
変な読み替えもなくオーソドックスな舞台づくりだが、
人物の造形が丁寧で見ていてストレスや違和感を感じないのがいい。
METらしい見事な舞台だった。
指揮はファビオ・ルイージ。
NYに新居を構えたそうで、いよいよMETが本拠地になるようだ。

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