2011年10月17日月曜日

楽友協会に響くモーツァルトとマーラー

ウィーン最後の晩は、ムジークフェラインの大ホールに出かけることにした。

■ローター・ツァグロセク指揮、ウィーン交響楽団
[2011年10月12日(水)19時30分開演 ムジークフェラインザール・大ホール]

指揮は、ジェイムズ・レヴァインの代役でNYに飛んで行ってしまった首席指揮者のファビオ・ルイージに代わり、ローター・ツァグロセク。
曲目は、
モーツァルト:ピアノ協奏曲 Kv.467
マーラー:交響曲第7番

まず!
モーツァルトでソリストをつとめたセルビア生まれの女性ピアニスト、
ヤスミンカ・スタンクルJasminka Stanculが素晴らしかった!
演奏会用ドレスではなく、黒のジャケットに黒のスラックス、赤いシンプルなブラウスという衣裳で登場。颯爽とした外見同様、音楽も弛緩したところがなく、軽快そのもの。
Fazioliのピアノを使用し、コロコロとしたピアノの音が宝石のようにホール空間のあちらこちらに乱反射して愉しげに踊る。
良く響くオーケストラの適度な音の厚みの上で、ピアノの音が何と素敵に聴こえたことか!
完全手造りのFazioliのピアノも、初めて聴く機会だったが、モーツァルトの疾走するパッセージに抜群の効果を発揮していた。

ピアニストも、この疾走感をもっと楽しみたかったからなのか、ソロ・アンコールにはさらに速いパッセージで弾きまくる現代的な小品をプレゼントしてくれた。
後で、ムジークフェラインのホームページで確認したら、Boris Papandopuloというクロアチア人作曲家(1906-1991)のエチュード第1番。

ムジークフェラインの舞台は狭いので、休憩中の転換も大変。ピアノだって、足はずして立てて移動です。

休憩後は、マーラーの大曲、第7番の交響曲。
印象に残ったのは、第2楽章。
夜営に向かう兵士たちのボヘミア風マーチに、牧場の牛たちが驚いてカウベルをカランコロンと響かせる・・・今回、プラハからウィーンへと旅してきて、マーラーが故郷で耳にしたであろう音楽風景を、マーラーも舞台に立ったことのあるここウィーンで聴くことができ、このとっつきにくい曲に初めて親しみを覚えた。

ツァグロセクの指揮は、派手さはないものの、職人的なプロの仕事ぶり。
ムジークフェラインの豊かな響きを楽しみながら、マーラーの長大な交響曲をまとめ上げ、大喝采を浴びていた。
ウィーン交響楽団も好演!

それにしても、ホールを出て、リングを渡る信号待ちをしていたら、後ろに立った老婦人お二人のこんな会話が・・・。
「長かったわね」
「そうね。マーラーなんて聴いたことある?」
「いいえ」
「わたしは、2回目かしら」

一瞬、マーラーと同時代の人かと錯覚してしまったが、そんなことはない。
マーラーは今年没後100年だもの・・・。
でも、一瞬でもそう思わせてしまうほどの、ウィーンの街の雰囲気でした。

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