■ヴェルディ「ラ・トラヴィアータ」
[2011年10月4日(火)19時開演 国民劇場Narodni divadlo]
ドイツ人支配に対抗して、チェコ民族がチェコ人のために作った国民劇場。
ヴルダヴァの河畔に黄金の屋根をいただいて堂々とそびえる劇場だ。
日本から予約はしていなかったが、プラハ訪問の記念に、その劇場を訪問してみることに。
演目は、イタリア物だったが・・・。
劇場の中は装飾も華やかで、豪華そのもの。
プロセミアム上部のNAROD SOBE!
のスローガンに、チェコ国民の気概が感じられる。
案内係の女性に意味を尋ねたところ、
「チェコ民族がプレゼントし、自分たちにもプレゼントし・・・」
とかいう意味だとか。
「チェコ民族による、チェコ民族のための」
といったところなのだろうか。
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| 額縁上部にNAROD SOBE!の文字が・・・ |
ところが、客の入りがあまり良くない。
高齢のプラハ市民と観光客で6~7割程度といったところ・・・。
オケの音もヴェルディの壮麗さと甘美さには程遠い。
(指揮は、日本でもおなじみのマエストロ、オンドレイ・レナルト)
半円形の装置を組み替えて見せる舞台も、
見た目に変化が乏しく貧弱に見えてしまう。
では、歌や演技が素晴らしいかというと、
舞台上のアンサンブルの緊張感やテンポ感も今ひとつ。
子役なんか、きっかけがきっかけが早過ぎて、出トチってた。
演出は、Jana Kalisova。1998年2月プレミエの版。
■モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
[2011年10月5日(水)19時開演 スタヴォフスケー劇場Stavocske divadlo]
2本目は、「ドン・ジョヴァンニ」。
初演された所縁の劇場での上演。
実は、旅行の日程を立てているとき、この劇場で「ドン・ジョヴァンニ」の上演があることを知り、
前後の日程を組みかえたほど。
制作は、国民劇場で、オケも合唱もバレエも同じ。
だが、モーツァルト所縁の劇場での上演ということで、
こちらの方がはるかに活き活きとした上演だった。
まず、Josef Svobodaによる舞台美術が素晴らしい。
客席側の内装デザインがそのまま舞台にも連続している。
客は、まるで舞台が繰り広げられる場所に自分たちもいるような感覚で、
オペラの劇世界に没入できる。
ツェルリーナを演じたのは、Yukiko Srejmova Kinjoさんという日本人。
日本人らしく丁寧な歌唱が印象的。
ドン・ジョヴァンニのMartin BartaとレオポレッロのPeter Mikulasのコンビも楽しめた。
騎士長は、「ラ・トラヴィアータ」の医師グランヴィル役、
そして、ドンナ・アンナはヴィオレッタ役。
こうした連日の出演は日本では考えられないこと。
レパートリー上演の「一座」感が出ていた。
指揮は、Jan Chalupecky。
Vaclav Kaslik演出の2006年5月プレミエ版。
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| Don Giovanni終演後のスタヴォフスケー劇場 |
モーツァルトが、この街で愛され、幸せな時を過ごしたことを想像しながらの舞台体験でした。
■ドヴォジャーク「ルサルカ」
[2011年10月7日(金)19時開演 プラハ国立歌劇場Statni Opera Praha]
そして、プラハでの3本目、三つめの劇場は、
かつてのドイツ劇場、プラハ国立歌劇場でのチェコ物「ルサルカ」。
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| 雨が降っていて寒かったので、道路の反対側に渡って正面から写真を撮るのはあきらめた。 |
チェコ語のオペラは、その言語のせいもあるだろうが、なかなか上演に接する機会がなく、
本場のチェコでチェコ人による上演に接してみたかったのだ。
さすがに合唱など、解らないなりにもチェコ語の響きが素晴らしく、聴きにきて良かったと思った。
演出は、Jiri Strunc。
序曲が始まると、紗幕に水面や森の中の湖、森の精や白馬に乗った王子の一行などが映し出されて、ドラマへとつながっていく。そう、「連鎖劇」そのものの手法。
演出的な特徴は、この映像を効果的に活用した連鎖劇的手法。
このおかげで、「ルサルカ」のお伽噺的な世界が、ある程度説得力のある舞台として、ダイナミックに舞台化されていた。
ルサルカを演じたHelena Kaupovaは、声量があまり豊かではなかったのが残念。
特に低音部など、完全にオケに消されてしまっていた。
水の精ヴォドニク役のRoman Vocelは、堂々とした体格と声量、緑色に塗った顔や衣裳で、異次元の存在として異彩を放っていた。
それにしても、こちらも客の入りは悪かったのは残念。
いくら、かつてのドイツ劇場とはいえ、チェコの国立の歌劇場が、お国物のドヴォジャークのオペラでこの不入りは情けない。




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