苦労の後には喜びが・・・。
台風直撃の中、なんとかホールに辿り着いた聴衆に贈られたのは、素晴らしい音楽体験だった!
外は暴風雨。公共交通機関もズタズタ。
途中の「足」がどうなるかわからないし、そもそも傘なんか役に立たないほどの雨と風。
なるべく濡れないようにルートを選び、それでもずぶ濡れになりながら辿り着いサントリーホール・・・開演前に客席を見てビックリ!
客がほとんどいない!
故・岩城宏之マエストロが現代音楽をギンギンやっていた大昔の3月定期でも、こんな「不入り」はなかったなぁ。
ざっと数えると、400人から500人・・・2割から2割5分といった寂しい光景。
でも今日の客は、この嵐の中、ブロムシュテット&N響の音楽に期待を込めて馳せ参じた「熱い聴衆」だった。
■ヘルベルト・ブロムシュテット指揮、N響第1708回定期
[2011年9月21日(水) サントリーホール]
シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ブルックナー:交響曲第7番
・・・という、重厚名曲プロ。
10日前の「新世界交響曲」にいたく感銘してたから、期待も大。
各セクションが絶妙の調和で融合する有機的な響き。
そのブレンドの中から醸し出される、滋味あふれる音楽。
シューベルトもブルックナーも、聴き慣れた名曲だが、いつまでもその音楽に浸っていたいと心から願いたくなるような、新鮮で温かみのある音楽。
究極の再現芸術であるオーケストラ演奏の真髄みたいなものが、今日の演奏会からは感じられた。本来、演奏会というものは、このくらい密度が高くなければ!
(でも、その密度を体験できるのは、悲しいかな何年かに一度といった割合なのも現実)
そうそう、「密度」といえば、今日の客席は少ないとはいえ、この悪天候の中、「聴きたい!」と集まった積極的な客。不用意な雑音もなく、舞台と客席の「気持ち」が通じ合って化学反応を起こし、とてもいい空気を作り上げていたのも印象的。
素晴らしい演奏会に、客席が感動しないはずはない。
N響の定期公演には珍しく、楽員が引き揚げた後に、マエストロのソロ・カーテンコール!
いつまでも記憶に残る「感動的な演奏会」が、久しぶりにまたひとつ増えた。

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