「記譜法」(いわゆる楽譜)、「オペラ」、「平均律」(いわゆる調律)、「ピアノ」、そして「録音技術」・・・。
そのどれもが、人類がもともと当たり前に持っていたものではない。偶然にせよ、歴史の必然にせよ、いつかどこかで誰かが「発明」した産物なのだ。
鑑賞するだけにせよ、演奏する側にせよ、現代の我々が音楽生活を営む上で、これらがなかったらどんなことになっていただろう。
「自分はオペラなんか見ない!」という人もいるかもしれないが、音楽で人間の情感を表すのに「オペラ」という芸術形式は画期的だったし、その後のあらゆる音楽や音楽劇に多大な影響を及ぼしたのだ。
ましてや、「楽譜」がなかったら、オーケストラだって演奏できないし、現代の演奏家がモーツァルトやショパンの曲でリサイタルをすることもできない。
「ピアノ」なんか、ピアノ教室にリサイタル、合唱の伴奏やオペラの稽古、ラジオ体操なんかにも大活躍である。
「録音技術」がなかったら、音楽を聴く機会が著しく減ってしまうだろう。(現代人はちょっと音楽を聴き過ぎな感も否めないが・・・)
「平均律」だって、演奏家がバラバラな調律による楽器や音階で演奏してたら、(少なくとも西洋音楽になじんだ耳には)かなり耳障りな音楽に聴こえるはず。
この本は、これら我々にとって当たり前な音楽の「事物」を、かなり専門的な事柄にも突っ込みながら解りやすく(「平均律」の章はチト難しかったが・・・)説明してくれている。
原題は「Big Bangs~The Story of Five Discoveries that Changed Musical History」。
読んでみると、これら五つの事物の出現が、音楽史上まさに「ビッグ・バン」だったことが解る。
「音楽史を変えた五つの発明」
ハワード・グッドール著(松村哲哉:訳)
2011年 白水社刊


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