■八月花形歌舞伎「怪談乳房榎」
[2011年8月26日(金) 新橋演舞場]
まるで本水の立回りのような局地的豪雨のなか、
新橋演舞場に出かけて夏芝居見物。
勘太郎、七之助、獅童らによる
円朝の怪談噺をもとにした「怪談乳房榎」。
小悪党のうわばみ三次、朴訥な下男庄助、高名な絵師・菱川重信、
それに三遊亭円朝の四役を早替りで勤めた勘太郎。
父・勘三郎、祖父・先代勘三郎を彷彿とさせる口跡と身のこなしで、
あぁ、中村屋の芸風はしっかりと継承されているな、と感心感心。
うわばみ三次の小悪党ぶりが、見得で決まったときの切れ味といい、
目の表情といい、小気味よく見事。
それとの対象で、
下男庄助の田舎者ぶりも、
見ていてじれったくなく、さらりとしていて好感がもてる。
そして、早替りや本水立回りで、
まさしく夏芝居らしく、若々しく軽やかに熱演。
「悪人」磯貝浪江役の獅童は、
見た目は申し分ない色悪ぶりなんだが、
なんとなく「重心の高さ」みたいなものを感じてしまう箇所が・・・。
歌舞伎の世界は、体全体から立ち上ってくる古典的な風情が必須。
さらなる精進を期待したい。
一本目に、扇雀、橋之助による「宿の月」。
女は結婚すると強くなる・・・という夫婦関係を描いた
他愛のない舞踊劇。
夏の夜の、
さらりと楽しい歌舞伎見物でした。

0 件のコメント:
コメントを投稿