■チョン・ミョンフン指揮 アジア・フィルハーモニー管弦楽団
[2011年8月2日(火) サントリーホール]
いやぁ、実に久しぶりの演奏会。
猛暑の夏は、どうも「クラシック音楽」というものから距離をおきたくなってしまうんです。
で、日々聴く音楽とは、ジプシー・キングスとか、ジャズとか、イタリアのフォークロイックな音楽とか。
“クラシック”のジャンルだったとしても、ルネッサンス音楽とか・・・。
理由を聞かれても、なんとなく体と心が求めるから、としか言いようがない・・・。暑くなると赤ワインよりもキンキンに冷えた白ワインが飲みたくなるように、音楽に対する嗜好性にも自然と変化が出るものらしい。
で、久しぶりに出かけたのが、この演奏会。
オーケストラの定期や音楽大学がお休みになる夏の間は、こうした寄せ集めメンバーによる期間限定オーケストラの公演が多くなる。腕っこきの演奏家が集まっての、集中力の高い音楽を体験できるのでは・・・という期待感もあって、蝉しぐれの中、ホールに出かけてきました。
曲は、ベートーヴェンの7番とブラームスの1番という、交響曲の人気曲2曲。
ステーキとシチューみたいな重量級プログラムで、とても白ワイン気分じゃなかったけど・・・。
このオケ、常設ではなく、音楽監督のチョン・ミョンフンの許にはせ参じた韓国・日本・中国の音楽家による、まさにアジアの音楽家による合同オケ。メンバー表には、2日後の北京公演にのみ参加する奏者も含めて、総勢100名の名と所属オケが記載されており、チョン・ミョンフンが音楽監督をつとめるソウル・フィルの団員が圧倒的に多く39名。名前の表記がアルファベットなので、韓国人と中国人の区別がイマイチはっきりしないが、やはり韓国人の比率が大きい。それにしても、欧米の有名オケのメンバーもかなりいて、オーケストラという西洋文化の権化みたいな分野でアジアの音楽家の勢力が世界的に見ても大きくなってきたことが読み取れる。
そして何よりも、韓国がこうした音楽活動の「言いだしっぺ」となり、国際空港としても成田や羽田や関空なんかよりもダイナミックに機能している仁川(インチョン)市が支援しているという事実を舞台上に見ながら、「日本もしょうもない公的助成金なんかチマチマ出して、中途半端な芸術文化政策してる場合かよ!」などと考えてしまった。
クラシック音楽なんていう小さく狭い業界ばかりでなく、テレビをつければ韓流ドラマばかり、音楽はK-POPSが大流行・・・最近の日本は何事にもダイナミックさを失っているような気がしてしまうんだなぁ・・・。
チョン・ミョンフンがダイナミックに煽りたてるベートーヴェンとブラームスを聴きながら、日本が世界の東の果ての離れ小島になってしまったような、一抹の寂しさと焦燥感みたいなものを感じてしまいました。
そうそう、演奏会自体は、名曲ということもあるし、チョン・ミョンフン独特の節回しも全開で、大いに盛り上がって楽しめましたよ。
アンコールは、ベートーヴェンの5番の交響曲のフィナーレ!
たっぷりと肉料理の御馳走を堪能したという感じの一夜でした。
とにもかくにも、わが日本よ、もう少し元気になろうよ!

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