2011年4月27日水曜日

皇帝は裸になれたか?

■ロジャー・ノリントン指揮、N響定期公演
[2011年4月27日(水) サントリーホール]

先日の面白くて楽しい(そして素晴らしい)「マーラー体験」に続き、
本日のプログラムはベートーヴェン!

「プロメテウスの創造物」序曲、交響曲第2番、
そして休憩後に、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
というもの。

数年前のモーツァルト同様、ロジャーおじさん、いろいろと仕掛けを施して面白くパフォーマンスしてくれるんじゃないかと、期待に胸ふくらませて出かけた。

そして、前半は見事にノリントン・マジックが的中。
小気味良いアクセント、旋律が浮かびあがってっくるようなフレージングの妙。
贅肉をそぎ落とし、「生まれたばかりの姿」のような、活き活きとしたベートーヴェンの音楽が披露された。

で、問題は後半の「皇帝」。
泣く子も黙るピアノ・コンチェルトの超名曲。
やっぱり、ピアノはベートーヴェンの時代から進化を遂げて、基本的にはロマンチックな楽器になってしまったんじゃなかろうか。ピアノの機能を十二分に発揮しようとすればするほど、オーケストラのノンビブラート奏法との世界観の違いが目立ってしまうようだ。
もっとも、これはピアニストの志向性にもよるんだろうが、今回のソリスト(ベルリン生まれの若手、マルティン・ヘルムヒェン)は、現代のピアニズムの王道を歩む人らしく、ロジャーおじさんとのノンビブラート実験には、あまり関心がないような「我が道を行く」音楽づくりだった。

もちろん、演奏が悪かったわけではない。
堂々とした(いや本当に堂々とした)立派な皇帝でしたよ。
ただ、ロジャーおじさん率いるオケとピアノとの化学反応を期待していたのに、「生まれたばかり」の皇帝のお姿が拝めなかったというだけ。

演奏後の指揮者とソリストは、妙に上機嫌だったけれど、前半の2曲ほどには面白くなかったなぁ。

それにしても、ロジャー・ノリントンという指揮者、見ていて本当に楽しいパフォーマンスをする。
来年もN響を振りに来るというから、今から楽しみだ。

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