2011年4月25日月曜日

カンブルランに元気をもらった!

■シルヴァン・カンブルラン指揮、読売日響
[2011年4月25日(月) サントリーホール]

「元気」のおすそわけにあやかりたくて、数日前にチケットを予約した。
カンブルランの指揮する読響の“チェコ名曲プログラム”だ。

なにせカンブルランという人、読響の常任指揮者就任披露の去年の春は、アイスランドの火山噴火。
そして今回は大震災。
とかく天災の影響を受ける人だが、その都度「万難を排して」来日してくれる根っからのプロの職人だ。
こういう人の舞台表現には、こちらも進んで触れにいきたくなる。

さてプログラムは、大好きなチェコ特集。
モーツァルトの交響曲第38番「プラハ」にはじまり、ヤナーチェクの「タラス・ブーリバ」、スメタナの「モルダウ」、そして再びヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。

ヤナーチェク好きにはたまりませんなぁ!

冒頭には、メシアンの「忘れられた捧げもの」から第3曲『聖体』が献奏された。
弦楽合奏の静謐な響きの中に、「祈り」とともに「希望」が感じられる音楽。
メシアンのスペシャリストとしても知られるカンブルランらしい選曲だ。

さて、オケが一度退場して、改めて登場。
本編のはじまりはじまり。

モーツァルトは、ひとつひとつのフレーズの「息」を大切にするような演奏。
細かいパッセージの綻びなんかよりも、「流れ」を重視するかのよう。
その流れの中に、くすんだ響きなんかが感じられて、楽しめた。

お次は「タラス・ブーリバ」。
ヤナーチェク節が満載で大好きな曲だが、滅多に実演で接する機会はない。
チェコとかモラヴィアとかの民族色よりも、20世紀の音楽としての響きの新鮮さに着目しているような演奏。フランス人の指揮者が日本のオケを振っているのだから、妙に東欧的な民族色を強調するよりも、こういった解釈もあるのかと納得。かえって拍子の変わり目なんかがわかって、指揮姿を見ながら面白く聴けた。

休憩後の「モルダウ」は、アルプスから流れ出る急流に沿って氷河特急で下るような演奏。
いやはや「速い」!
水源の「水のしずく」からして、いきなりの急流。
「農民の婚礼の踊り」も「川面に映る月の光」も「古城」も、特急列車の車窓越しにどんどん吹っ飛んでいく。「聖ヨハネの急流」なんか、まるで大瀑布だよ。
こんなに早い「モルダウ」は正直言って初めての経験。
でも、なぜか楽しめた。
「名曲」の特権だね。

そして、フィナーレは「シンフォニエッタ」。
金管バンダの特異なファンファーレがさく裂して、ヤナーチェク節と明るい響きがホール内を躍動。

マエストロ・カンブルランはカーテンコールの出入りも小走りぎみにきびきびとしていて、とにかくコンサート全体がいきいきとした雰囲気になる。
それは、ロビーにいるオーケストラ・スタッフの表情やお客の心にも伝染して、会場全体が明るくなり活力が漲るようだ。
この人、今のこの時期に理想的なキャラですよ。
いやはや、期待通りに「元気」をいただきました。
Bravo!

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