「何かあったんじゃないだろうか?」
・・・と不安に駆られる。
事件とか、事故とか、災害とか・・・。
飛んでいるヘリが、民間のものか、自衛隊とか在日米軍のものか。
民間のものなら、どこかの交通事故を取材にいく途中だったり、
休日の行楽地の取材なんていうこともある。
カーキ色のヘリだと、
どこかの国の軍事的挑発行為なんかをつい想像してしまう。
この間の大地震のときは、東京駅の丸の内口にいたが、
上空をすぐに報道のヘリコプターが飛びはじめ、
こりゃあ大変な災害だと直感した。
平常時には、あまりヘリコプターの出番はないもんなぁ。
というわけで、ヘリコプター・ネタで話を始めたが、
本日は「災害」でも「事件」でもなく、
五反田にある「アトリエヘリコプター」という小さなスペースに出かけた。
■KAKUTA Sound Play Series「朗読の夜」#6
「グラデーションの夜」~桃色の夜
[2011年4月28日(木) アトリエヘリコプター]
KAKUTAというのは、役者で演出家の桑原裕子さんを中心とした「劇団」。
彼女の創りだす芝居は、登場人物に「実在感」がある。
劇中の人間に「血」が通っているばかりでなく、
「肌合い」や「体臭」みたいなものまでもが感じられるのだ。
今回はいわゆる「朗読劇」だが、
単に本を読むだけでなく、
「語り手」と「演じ手」にわかれるという独自のスタイルで上演するという。
なんだか歌舞伎の義太夫物みたいだ。
歌とピアノとのコラボもあるというので、
どんな舞台になるのか興味と期待で出かけることにした。
読まれる短編小説は、
田辺聖子「いま何時?」
角田光代「わか葉の恋」
三浦しおん「春太の毎日」
の3本。
角田作品は図書館で読んだが、他の2本は未読。
その3作をつなぐ基礎構造として、「グラデーションの夜」というオリジナルの世界がある。
古本屋の女性店主が、ふらりと旅に出て、
どこぞ町の小さな宿屋で時間を過ごしているという設定だ。
その古本屋の店主や宿屋の女主人が本を読むと、作品の中の世界が眼前で演じられていく。
文学作品が立体的に演劇化するという仕掛け。まあ、セリフの多い、演劇になりやすい作品を題材に選んでいるせいもあるが、現代の演劇の在り方・作り方として、いい方法論だ。
題材の3作は、どれも「片想い」や「大人の恋」を描いた作品。それを、歌とキーボードの優しい音楽が、時にはBGMのように、時にはドラマを見守る天使のように包んでいく。
春の陽気と相俟って、心穏やかに観ていられる、ほのぼのとするような演劇的時間でした。
ひとつだけ、欲を言えば、漢字の読み方に誤り(玄武岩は「げんぶいわ」じゃなくて「げんぶがん」でしょう・・・)があったり、イントネーションに明らかにおかしな部分があったりして、聴いている方が一瞬「アレッ?」とストレスを感じてしまう瞬間があったのが残念。「朗読」という表現をキーワードにして上演する以上、やっぱりこういう部分も綿密に演出して、言葉に込められたメッセージや文化をきちんと伝えていく姿勢が大事だと思うよ。
