[2010年12月4日(日) 新宿ピカデリー]
METのライブビューイング2010-2011シーズンの3本目は、ドニゼッティ作曲の喜劇「ドン・パスクワーレ」。ドイツ物(しかもワーグナー!)、ロシア物(しかもムソルグスキー!)と、正直言って胃にもたれそうな重量級路線が続いたので、体の方がイタリア物の「歌」や「躍動感」を欲していたという感じ。本当に楽しみにしていた演目だ。
オットー・シェンクの演出は、主要登場人物4人(金持ちドン・パスクワーレ、その息子エスネスト、医者マラテスタ、美しい未亡人ノリーナ)を活き活きと動かすばかりでなく、ローマの下町の雰囲気をセットや紗幕でも効果的に舞台に表し、召使いや町の人々の合唱団の人数で「都会」の活力まで表していて素晴らしい。
キャストでは、ノリーナ役のアンナ・ネトレプコが、奔放な女性をのびのびと演じ歌って、楽しい。
ドン・パスクワーレ役のジョン・デル・カルロは、姿形からして喜劇の主人公。周囲に翻弄される金持ち老人ぶりが見事。
本来のコメディア・デラルテなら、ご主人さまたちの恋愛騒動に加担するのは召使いの役目だが、このオペラでは医者、つまりドットーレのマラテスタが一人でいろいろ画策する。演じるのは、黒い丸眼鏡をかけた怪しげなマリウシュ・グヴィエチェン。
ドン・パスクレーレ家の3人のしょうもない召使いを演じた助演や、ノリーナの命令で集められた使用人や出入り商人などの町の衆の合唱団が、活き活きとしていて何とも見事。
そして何よりも、素直に楽しめるイタリア・オペラの歌や音楽の生命力に改めて感動。
やっぱりイタリアはいいなぁ・・・。

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