2010年12月15日水曜日

暗く重い音楽と対話するには・・・

■シャルル・デュトワ指揮、N響第1690回定期公演
[2010年12月15日(水) サントリーホール]

ショスタコーヴィチの交響曲第8番というのは、何とも暗く、重く、解放感のない曲なんだろう。第二次大戦のスターリングラードでの独ソ戦のさなかに作曲されたという。厳しく辛い戦争の空気を反映してか、なんともいえない悲愴感が曲の全体を占めている。時代や民族の証人としての音楽は、芸術作品の存在理由として重要であるが・・・・やはり、それを客席で鑑賞するとなると、正直言って「楽しい」体験ではなく、精神的にかなりきつい負荷をかけられたような重たい気分。

音楽会に出かけるということは、何も「楽しみ」や「悦び」だけを求めているわけではないのは百も承知だが、やっぱり、どこか「スカッ」とした気になったり、深い感動を味わったりしたいものである。

そういう点では、終演後、晴れやかな顔にはならず、重い気分でホールを後にせざるを得なかった。

演奏は、デュトワの指揮で素晴らしかったけれど・・・。

こういう芸術作品と「生」の現場で直接向き合わなければならない、ということの「意味」を少し時間をかけて考えてみたい・・・。

プログラムは、前半にピエール・ロラン・エマールのピアノ独奏で、ラヴェルのピアノ協奏曲。こちらも、後半のショスタコーヴィッチの影響を受けたのか、「華麗」というよりは、どこか翳りのある「燻し銀」のような響き。別の言い方をすれば、大人のラヴェルだった。

ソロ・アンコールで披露されたのは、リゲティの「ムジカ・リテルカーナ第1番」という曲。何だか蒸気機関車の発車から速度アップの様子を表しているみたいで、面白い小品だった。

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