■第2回音楽大学オーケストラ・フェスティバル
東邦音楽大学+昭和音楽大学
[2010年11月27日(土) ミューザ川崎シンフォニーホール]
昨年から始まった、首都圏の8つの音楽大学が競演する学生オーケストラの祭典、「音楽大学オーケストラ・フェスティバル」。
今年の第2回目の演奏会も、学生たちの溌剌とした演奏とお客様の熱い拍手で無事終演しました。
今日の組み合わせは、
東邦音楽大学(指揮:末廣誠)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
昭和音楽大学(指揮:マッシミリアーノ・マテシッチ)
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
レスピーギ:交響詩「ローマの松」
そして、それそれの大学の演奏の前に、相手校からのファンファーレがある。
両校のオケとも、技術的にも音楽的にも難しい曲に真剣に取り組み、懸命に、しかも溌剌と演奏してくれました。
アンサンブルの精度という面からみると、そりゃあまだまだ経験不足な面が時おり見えてしまうのは仕方ないこと。でも、それを補って余りある、「懸命さ」とか「チャレンジ精神」みたいなものが、客席にいても感じられ、気持ちいい。
それと、特筆すべきは、管楽器のレベルが高さ。両校とも、「思い切り」のいい演奏をしていたのには、正直驚き。吹奏楽活動が全国的に盛んになっていることの成果だろう。
終演後は、交流パーティも催され、パート同志、セクション同志で交流の輪ができて盛り上がっていました。(これが大事なんだな・・・)
次回は12月5日(日)。ミューザ川崎シンフォニーホールで、武蔵野音楽大学と国立音楽大学の競演。
どちらもブラームスという、これまた重厚なプログラム。
(武蔵野音大が「ドイツ・レクイエム」より、国立音大が交響曲第2番)
乞うご期待!
2010年11月27日土曜日
2010年11月24日水曜日
夢現の中でのロマン派2曲
■マルクス・シュテンツ指揮、N響定期
[2010年11月24日(水) サントリーホール]
この季節になると出るのがアレルギー性鼻炎。
ちょっとした気温の変化や空気の乾燥具合で、くしゃみ、鼻水が止まらなくなったり、涙目になったり・・・。それを抑える薬の効果で、気持ちよく意識と無意識の間を漂っている中、あれっと思うようなテンポの揺れや強烈なアクセントで一時的に目が覚める・・・。
不覚にも、そんなコンサート体験だった。
曲は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューマンの交響曲第2番。
指揮は、ケルン歌劇場の音楽総監督を務めるマルクス・シュテンツ。
ヴァイオリンは、ヴェロニカ・エーベルレ。
シュテンツは、特にシューマンで響きテンポ、アクセントにいろいろと工夫を凝らして、実演としてはなかなか面白く聴くことができた。
ただ、それが後々まで心に残るような、深い音楽体験につながるかというと・・・それは疑問。
(まぁ、こちらの体調のせいもあるのだが・・・)
自分のやり方をオーケストラに浸透させるには、何度か共演を重ねてみないとね。
オケには気に入られてるような空気が見ていて感じられたので、またそのうち客演することもあるでしょう。
そうそう、ソリストのヴェロニカ・エーベルレ、舞台姿もスラリとして美しいし、音も綺麗だし・・・なかなか良いヴァイオリニストでした。
[2010年11月24日(水) サントリーホール]
この季節になると出るのがアレルギー性鼻炎。
ちょっとした気温の変化や空気の乾燥具合で、くしゃみ、鼻水が止まらなくなったり、涙目になったり・・・。それを抑える薬の効果で、気持ちよく意識と無意識の間を漂っている中、あれっと思うようなテンポの揺れや強烈なアクセントで一時的に目が覚める・・・。
不覚にも、そんなコンサート体験だった。
曲は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲とシューマンの交響曲第2番。
指揮は、ケルン歌劇場の音楽総監督を務めるマルクス・シュテンツ。
ヴァイオリンは、ヴェロニカ・エーベルレ。
シュテンツは、特にシューマンで響きテンポ、アクセントにいろいろと工夫を凝らして、実演としてはなかなか面白く聴くことができた。
ただ、それが後々まで心に残るような、深い音楽体験につながるかというと・・・それは疑問。
(まぁ、こちらの体調のせいもあるのだが・・・)
自分のやり方をオーケストラに浸透させるには、何度か共演を重ねてみないとね。
オケには気に入られてるような空気が見ていて感じられたので、またそのうち客演することもあるでしょう。
そうそう、ソリストのヴェロニカ・エーベルレ、舞台姿もスラリとして美しいし、音も綺麗だし・・・なかなか良いヴァイオリニストでした。
2010年11月21日日曜日
打楽器による「視る音」の世界
■Percussive Movement vol.8
[2010年11月21日(日) 青山円形劇場]
“古巣”の青山円形劇場で、パーカッショニストの梯郁夫氏が主宰する打楽器の公演を「観た」。
チラシの謳い文句によると、
ボーダレスなパーカッションカルテットが
360°完全円形ステージに紡ぐ
「視る音」の世界。
とある。
まさに、打楽器の演奏会は視覚的にも楽しめる。
マリンバやティンパニなどといった「当たり前の」楽器から、様々な民族楽器、そしてスキューバダイビングの空気ポンプから、身の周りの品から造った創作楽器まで・・・。
叩いたり擦ったりしたら音が出た・・・その音でリズムをとったら面白かった・・・そのリズムを少しずらしてみたらさらに面白かった・・・・、というような音楽の「原初体験」みたいなもので構成したようなコンサート。
演奏者の「いたずら心」や「茶目っ気」も感じられて、楽しい内容だ。
それにしても、円形劇場の空間は、このような打楽器のパフォーマンスには最適だ。
かくいう私も、青山劇場・青山円形劇場に在籍していた時代には、打楽器の演奏会を何回か企画したり担当したりしたもんです。
他の楽器に比べ、打楽器というのは楽器の搬出入やセッティングに時間と労力を要する。
ある演奏家が言っていたけれど、肉体労働8割・演奏2割のエネルギー配分だとか。
このコンサートシリーズは19年前にスタートして、今回が8回目。5年ぶりの開催だとか。
次回の開催を、心から楽しみにしています。
[2010年11月21日(日) 青山円形劇場]
“古巣”の青山円形劇場で、パーカッショニストの梯郁夫氏が主宰する打楽器の公演を「観た」。
チラシの謳い文句によると、
ボーダレスなパーカッションカルテットが
360°完全円形ステージに紡ぐ
「視る音」の世界。
とある。
まさに、打楽器の演奏会は視覚的にも楽しめる。
マリンバやティンパニなどといった「当たり前の」楽器から、様々な民族楽器、そしてスキューバダイビングの空気ポンプから、身の周りの品から造った創作楽器まで・・・。
叩いたり擦ったりしたら音が出た・・・その音でリズムをとったら面白かった・・・そのリズムを少しずらしてみたらさらに面白かった・・・・、というような音楽の「原初体験」みたいなもので構成したようなコンサート。
演奏者の「いたずら心」や「茶目っ気」も感じられて、楽しい内容だ。
それにしても、円形劇場の空間は、このような打楽器のパフォーマンスには最適だ。
かくいう私も、青山劇場・青山円形劇場に在籍していた時代には、打楽器の演奏会を何回か企画したり担当したりしたもんです。
他の楽器に比べ、打楽器というのは楽器の搬出入やセッティングに時間と労力を要する。
ある演奏家が言っていたけれど、肉体労働8割・演奏2割のエネルギー配分だとか。
このコンサートシリーズは19年前にスタートして、今回が8回目。5年ぶりの開催だとか。
次回の開催を、心から楽しみにしています。
2010年11月14日日曜日
MET2本目はロシアの歴史劇
■METライブビューイング「ボリス・ゴドゥノフ」
[2010年11月13日(土) 新宿ピカデリー]
今シーズン2作目のMETライブビューイングは、プーシキン原作、ムソルグスキー作曲の「ボリス・ゴドゥノフ」。
今をときめくヴァレリー・ゲルギエフの指揮、スティーヴン・ワズワース演出による新プロダクション。
タイトル・ロールはルネ・パーペ。
メインキャストのほかに、120名の大合唱、40名の助演という大人数で、ロシアの歴史ドラマを重厚に描いていた。
このくらいの物量がないと、ロシア史劇のリアリティは出せない。
改めて、METの組織力に脱帽。
ルネ・パーペのボリス・ゴドゥノフ、堂々たる風格の中に、過去の過ちに対しておびえる一人の男の心の揺れが感じられて素晴らしかった。
が、それ以上に、権勢欲の強いポーランド貴族マリーナを演じたエカテリーナ・セメンチュックと、ある意味、このオペラの「視点」を代表する聖愚者を演じたアンドレイ・ポポフの二人が印象的。
セメンチュックは、かつて東京芸術劇場でエリアフ・インバル指揮フィルハーモニア管弦楽団でマーラー・チクルスを催したとき、「復活」のソリストで来日したメゾ・ソプラノ。あの時は、まだ若手ながら深みのある歌声で印象的だったが、今回は、女のしたたかさ、意地悪さを感じさせる堂々たる風格。声のニュアンス、目線の鋭さ、享楽にふけるポーランド貴族の中で権謀術数をめぐらすしたたかさが表現されていて素晴らしい存在感だった。
聖愚者のポポフは、姿形もいかにも浮浪僧といった雰囲気。その「狂気」の中に「真実」の視点が感じられて好演。
終幕、ボリス側の貴族たちを民衆がなぶるシーンは、壮絶・凄惨なものがあったが、抑圧された民衆の怒りが徹底的に表現された点では非常に効果的。オペラの冒頭で、ボリスの登場を歓迎する群衆の姿と対比させると、いつの世も民というものは移り気で無責任なものだと痛感してしまう。
それだからこそ、聖愚者の存在が必要になってくるのだろう。
ドイツ物、ロシア物と続いたMETライブビューイング。そろそろイタリア物を楽しみたくなってきた。
[2010年11月13日(土) 新宿ピカデリー]
今シーズン2作目のMETライブビューイングは、プーシキン原作、ムソルグスキー作曲の「ボリス・ゴドゥノフ」。
今をときめくヴァレリー・ゲルギエフの指揮、スティーヴン・ワズワース演出による新プロダクション。
タイトル・ロールはルネ・パーペ。
メインキャストのほかに、120名の大合唱、40名の助演という大人数で、ロシアの歴史ドラマを重厚に描いていた。
このくらいの物量がないと、ロシア史劇のリアリティは出せない。
改めて、METの組織力に脱帽。
ルネ・パーペのボリス・ゴドゥノフ、堂々たる風格の中に、過去の過ちに対しておびえる一人の男の心の揺れが感じられて素晴らしかった。
が、それ以上に、権勢欲の強いポーランド貴族マリーナを演じたエカテリーナ・セメンチュックと、ある意味、このオペラの「視点」を代表する聖愚者を演じたアンドレイ・ポポフの二人が印象的。
セメンチュックは、かつて東京芸術劇場でエリアフ・インバル指揮フィルハーモニア管弦楽団でマーラー・チクルスを催したとき、「復活」のソリストで来日したメゾ・ソプラノ。あの時は、まだ若手ながら深みのある歌声で印象的だったが、今回は、女のしたたかさ、意地悪さを感じさせる堂々たる風格。声のニュアンス、目線の鋭さ、享楽にふけるポーランド貴族の中で権謀術数をめぐらすしたたかさが表現されていて素晴らしい存在感だった。
聖愚者のポポフは、姿形もいかにも浮浪僧といった雰囲気。その「狂気」の中に「真実」の視点が感じられて好演。
終幕、ボリス側の貴族たちを民衆がなぶるシーンは、壮絶・凄惨なものがあったが、抑圧された民衆の怒りが徹底的に表現された点では非常に効果的。オペラの冒頭で、ボリスの登場を歓迎する群衆の姿と対比させると、いつの世も民というものは移り気で無責任なものだと痛感してしまう。
それだからこそ、聖愚者の存在が必要になってくるのだろう。
ドイツ物、ロシア物と続いたMETライブビューイング。そろそろイタリア物を楽しみたくなってきた。
2010年11月9日火曜日
日本でもMET新シーズン開幕!
■METライブビューイング「ラインの黄金」
[2010年11月8日(月) 新宿ピカデリー]
さぁて、今シーズンもいよいよ始まりました!
ニューヨークはメトロポリタン・オペラのライブビューイング。
その“開幕作品”は、ワーグナーの「ラインの黄金」。
演出は、ロベール・ルパージュだ。
何列にも連なった細長く巨大な特設床を回転させて、空間や背景を自在に変化させていく。
そして、その床でできた急勾配の斜面を、ワイヤーを装着した出演者が登ったり降りたりする。
シルク・ドゥ・ソレイユで培った演出手法を存分にオペラの世界でも活用し、ワーグナーの楽劇の神話世界を大胆に造形してくれている。
こんなことができるのも、組織力・経済力に優れたMETならではのことだろう。
とかくワーグナーの楽劇というと、歌手が延々と歌うばかりで、舞台の見た目がちっとも変化しないという印象がある。しかし、ルパージュの大胆な舞台機構による演出では、空間の壮大さが効果的に出て、観ていて飽きなかった。
ただし、METではこの舞台装置で「指輪」4作を2シーズンかけて新制作するそうな。
2本目、3本目と進むにつれて、このスペクタクル性にこちらの感性が慣れてしまって、飽きがこなければいいのだけれど・・・。
「ラインの黄金」は、「ニーベルングの指輪」4部作の『序夜』ということで、休憩なしの2時間半。
さすがに途中、気が遠くなることが何度かあったっけ・・・。
ワーグナーの舞台作品を丸ごと許容できる体力・気力というものは、やはり特殊な才能とか嗜好性とかなのだろうか。
観終わって、本当に疲れ果てました。
指揮は、音楽監督のジェイムズ・レヴァイン。
腰の調子が悪いらしく、カーテンコールでも舞台中央まで進めないのが、何となく痛々しかった。
もっとも、傾斜のついた舞台じゃ、危ないけどね・・・。
ヴォータン役のブリン・ターフェルが、堂々とした体格と歌唱で立派。
アルベルヒ役のエリック・オーウェンズもなかなかの熱演。
ローゲ役のリチャード・クロフトに、カーテンコールでブーイングが飛んでいたのは、なぜだろう?
巨大なワーグナー歌手たちとスペクタクルな舞台で、神々や巨人族の神話世界にどっぷりつかることができました。
次は、ロシア物でムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」。これも体力勝負だぞ。
[2010年11月8日(月) 新宿ピカデリー]
さぁて、今シーズンもいよいよ始まりました!
ニューヨークはメトロポリタン・オペラのライブビューイング。
その“開幕作品”は、ワーグナーの「ラインの黄金」。
演出は、ロベール・ルパージュだ。
何列にも連なった細長く巨大な特設床を回転させて、空間や背景を自在に変化させていく。
そして、その床でできた急勾配の斜面を、ワイヤーを装着した出演者が登ったり降りたりする。
シルク・ドゥ・ソレイユで培った演出手法を存分にオペラの世界でも活用し、ワーグナーの楽劇の神話世界を大胆に造形してくれている。
こんなことができるのも、組織力・経済力に優れたMETならではのことだろう。
とかくワーグナーの楽劇というと、歌手が延々と歌うばかりで、舞台の見た目がちっとも変化しないという印象がある。しかし、ルパージュの大胆な舞台機構による演出では、空間の壮大さが効果的に出て、観ていて飽きなかった。
ただし、METではこの舞台装置で「指輪」4作を2シーズンかけて新制作するそうな。
2本目、3本目と進むにつれて、このスペクタクル性にこちらの感性が慣れてしまって、飽きがこなければいいのだけれど・・・。
「ラインの黄金」は、「ニーベルングの指輪」4部作の『序夜』ということで、休憩なしの2時間半。
さすがに途中、気が遠くなることが何度かあったっけ・・・。
ワーグナーの舞台作品を丸ごと許容できる体力・気力というものは、やはり特殊な才能とか嗜好性とかなのだろうか。
観終わって、本当に疲れ果てました。
指揮は、音楽監督のジェイムズ・レヴァイン。
腰の調子が悪いらしく、カーテンコールでも舞台中央まで進めないのが、何となく痛々しかった。
もっとも、傾斜のついた舞台じゃ、危ないけどね・・・。
ヴォータン役のブリン・ターフェルが、堂々とした体格と歌唱で立派。
アルベルヒ役のエリック・オーウェンズもなかなかの熱演。
ローゲ役のリチャード・クロフトに、カーテンコールでブーイングが飛んでいたのは、なぜだろう?
巨大なワーグナー歌手たちとスペクタクルな舞台で、神々や巨人族の神話世界にどっぷりつかることができました。
次は、ロシア物でムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」。これも体力勝負だぞ。
2010年11月8日月曜日
メッツマッハーが面白い!
■インゴ・メッツマッハー指揮、新日本フィル定期
[2010年11月7日(日) すみだトリフォニーホール]
「新しい音を恐れるな」の著者、インゴ・メッツマッハーが指揮する新日本フィルの演奏会に出かけた。
曲は、マーラーの交響曲第6番。
メッツマッハーの“師匠”はミヒャエル・ギーレンだそうで、かつてギーレンが初来日してN響を振ったときも、このマーラーの6番があり、私としてはその時がこの曲との出合いだった。
(1975年のこと。35年も前の話だ・・・)
現代音楽のスペシャリストといわれる指揮者は、マーラーの6番を好む傾向があるのだろうか。
さて、その演奏、それはそれは見事な演奏だった。
久しぶりにこの曲の醍醐味を堪能した感じ。
全体の構成感がしっかりしていて、どちらかというと風変わりで破天荒な音楽が、確信をもって進んでいく。
舞台裏でカウベルが鳴ったり、終楽章でハンマー(木槌)を振りおろすなんていう「新しい音」を取り入れた交響曲。
恐れることなく楽しむことができました。
メッツマッハーは来シーズンも新日本フィルに客演することになったそうである。
コンセプチュアルなプログラミングで、面白いオーケストラコンサートをどんどん創造してほしい。
[2010年11月7日(日) すみだトリフォニーホール]
「新しい音を恐れるな」の著者、インゴ・メッツマッハーが指揮する新日本フィルの演奏会に出かけた。
曲は、マーラーの交響曲第6番。
メッツマッハーの“師匠”はミヒャエル・ギーレンだそうで、かつてギーレンが初来日してN響を振ったときも、このマーラーの6番があり、私としてはその時がこの曲との出合いだった。
(1975年のこと。35年も前の話だ・・・)
現代音楽のスペシャリストといわれる指揮者は、マーラーの6番を好む傾向があるのだろうか。
さて、その演奏、それはそれは見事な演奏だった。
久しぶりにこの曲の醍醐味を堪能した感じ。
全体の構成感がしっかりしていて、どちらかというと風変わりで破天荒な音楽が、確信をもって進んでいく。
舞台裏でカウベルが鳴ったり、終楽章でハンマー(木槌)を振りおろすなんていう「新しい音」を取り入れた交響曲。
恐れることなく楽しむことができました。
メッツマッハーは来シーズンも新日本フィルに客演することになったそうである。
コンセプチュアルなプログラミングで、面白いオーケストラコンサートをどんどん創造してほしい。
2010年11月6日土曜日
音大オケフェス開幕!
■第2回音楽大学オーケストラ・フェスティバル
洗足学園音楽大学+桐朋学園大学
[2010年11月6日(土) 東京芸術劇場・大ホール]
今年も始まりました「音楽大学オーケストラ・フェスティバル」。
小生、この立ち上げ(というか再開?)に関わり、今も実行委員会の中でアドバイザーを務めさせていただいている。
さて、その初日は、洗足学園音楽大学と桐朋学園大学の競演。
洗足が、秋山和慶先生の指揮で、
リーバーマン:ジャズバンドと交響楽団のための協奏曲
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)
桐朋が、高関健氏の指揮で、
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
・・・という、それそれの大学の特色を活かした、重量感ある渾身のプログラム。
洗足は、音大で初めてジャズ科を設置したこともあり、リーバーマンの曲に挑戦!
いい意味で、折り目ただしく、きちんと演奏してくれたことにより、ジャズとクラシックの語法の化学反応が面白く実体験できた。
プロのオーケストラの公演では、なかなかお目にかかれない曲だが、20世紀の音楽シーンの一面を象徴する曲として、もっと演奏されてもいい曲だ。
「火の鳥」は、昨年の「春の祭典」に続くストラヴィンスキーへの挑戦。
こちらも、なかなかの力演でした。
後半は、桐朋学園大学が「英雄の生涯」という大曲を演奏。
さすがに弦の力量は凄い。
ヴァイオリン・ソロ(コンミス)は、ロン・ティボー国際音楽コンクールで入賞し、近年ソリストとしても活躍中の南紫音さん。
オケの配置も、コントラバスが下手に来る対向配置。しかも18型という大編成。
ズシリとした低音に支えられた、厚味のある見事な響きで、充実した演奏をしてくれました。
桐朋の方は、アンコールにエルガーの「威風堂々」第1番を演奏するというオマケつき。
会場のお客様も、おおいに盛り上がってくれました。
この音楽大学オーケストラ・フェスティバル。
プロのオーケストラの公演では聴けないようなプログラム構成が興味深かったり、充分に時間をかけて練り込まれたアンサンブルや若者らしい溌剌とした演奏に出会えて、面白いコンサートだと思います。
客席を見回しても、一般の音楽ファン、オーケストラ・ファンらしきお客様がたくさんいらっしゃり、熱い拍手を贈ってくださっている。
音大オケ「未体験」の方は、是非お出かけください。
これからの予定は・・・
11/27(土)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
東邦音楽大学+昭和音楽大学
12/5(日)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
武蔵野音楽大学+国立音楽大学
12/11(土)15:00 東京芸術劇場・大ホール
東京音楽大学+東京藝術大学
そして来年3月末には、初の試みとして8大学の選抜メンバーによる合同オケ(音楽大学フェスティバル・オーケストラ)の公演も決定。
乞うご期待!
洗足学園音楽大学+桐朋学園大学
[2010年11月6日(土) 東京芸術劇場・大ホール]
今年も始まりました「音楽大学オーケストラ・フェスティバル」。
小生、この立ち上げ(というか再開?)に関わり、今も実行委員会の中でアドバイザーを務めさせていただいている。
さて、その初日は、洗足学園音楽大学と桐朋学園大学の競演。
洗足が、秋山和慶先生の指揮で、
リーバーマン:ジャズバンドと交響楽団のための協奏曲
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919年版)
桐朋が、高関健氏の指揮で、
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
・・・という、それそれの大学の特色を活かした、重量感ある渾身のプログラム。
洗足は、音大で初めてジャズ科を設置したこともあり、リーバーマンの曲に挑戦!
いい意味で、折り目ただしく、きちんと演奏してくれたことにより、ジャズとクラシックの語法の化学反応が面白く実体験できた。
プロのオーケストラの公演では、なかなかお目にかかれない曲だが、20世紀の音楽シーンの一面を象徴する曲として、もっと演奏されてもいい曲だ。
「火の鳥」は、昨年の「春の祭典」に続くストラヴィンスキーへの挑戦。
こちらも、なかなかの力演でした。
後半は、桐朋学園大学が「英雄の生涯」という大曲を演奏。
さすがに弦の力量は凄い。
ヴァイオリン・ソロ(コンミス)は、ロン・ティボー国際音楽コンクールで入賞し、近年ソリストとしても活躍中の南紫音さん。
オケの配置も、コントラバスが下手に来る対向配置。しかも18型という大編成。
ズシリとした低音に支えられた、厚味のある見事な響きで、充実した演奏をしてくれました。
桐朋の方は、アンコールにエルガーの「威風堂々」第1番を演奏するというオマケつき。
会場のお客様も、おおいに盛り上がってくれました。
この音楽大学オーケストラ・フェスティバル。
プロのオーケストラの公演では聴けないようなプログラム構成が興味深かったり、充分に時間をかけて練り込まれたアンサンブルや若者らしい溌剌とした演奏に出会えて、面白いコンサートだと思います。
客席を見回しても、一般の音楽ファン、オーケストラ・ファンらしきお客様がたくさんいらっしゃり、熱い拍手を贈ってくださっている。
音大オケ「未体験」の方は、是非お出かけください。
これからの予定は・・・
11/27(土)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
東邦音楽大学+昭和音楽大学
12/5(日)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
武蔵野音楽大学+国立音楽大学
12/11(土)15:00 東京芸術劇場・大ホール
東京音楽大学+東京藝術大学
そして来年3月末には、初の試みとして8大学の選抜メンバーによる合同オケ(音楽大学フェスティバル・オーケストラ)の公演も決定。
乞うご期待!
2010年11月5日金曜日
歌、言葉、そして感動
■耕友会コンサートVol.6
[2010年11月3日(水・祝) 新宿文化センター]
4年前、わがデラルテ舎の光瀬名瑠子が、東京芸術劇場シアターオペラで「道化師」を演出したときからのご縁で、「耕友会」のコンサートを聴かせていただいた。
耕友会は、指揮者で作曲家の松下耕氏が指導する9つの合唱団によって構成される合唱団だ。
今回の演奏会は、松下耕氏の“指揮者生活25周年”と銘打たれ、オルガン・ソロの曲あり、オーケストラ曲あり、そして混声合唱とオケの曲が2曲と、全曲松下耕作品による渾身のプログラム。
オケは東フィル。オルガンは新山恵理さん。
どの曲にも「歌心」があふれており、そして声楽の入る曲では、「言葉」が音楽にのってしっかりとメッセージとして聴く者の心に伝わり、感動的な演奏会だった。日本語にしろラテン語にしろ、「言葉」をとても大切にして表現していることがよくわかる。
そして、コダーイ・システムを本格的に日本に導入して指導している松下耕氏の日頃の指導の成果で、複数の団体の混成チームである「耕友会」合唱団が見事に訓練されていることが客席からも感じ取れた。この基礎の上に、音楽上の表現やメッセージが「感動」になって聴衆に伝わっていくのだろう。
見事!
松下耕氏と耕友会の音楽活動、これからも応援!
[2010年11月3日(水・祝) 新宿文化センター]
4年前、わがデラルテ舎の光瀬名瑠子が、東京芸術劇場シアターオペラで「道化師」を演出したときからのご縁で、「耕友会」のコンサートを聴かせていただいた。
耕友会は、指揮者で作曲家の松下耕氏が指導する9つの合唱団によって構成される合唱団だ。
今回の演奏会は、松下耕氏の“指揮者生活25周年”と銘打たれ、オルガン・ソロの曲あり、オーケストラ曲あり、そして混声合唱とオケの曲が2曲と、全曲松下耕作品による渾身のプログラム。
オケは東フィル。オルガンは新山恵理さん。
どの曲にも「歌心」があふれており、そして声楽の入る曲では、「言葉」が音楽にのってしっかりとメッセージとして聴く者の心に伝わり、感動的な演奏会だった。日本語にしろラテン語にしろ、「言葉」をとても大切にして表現していることがよくわかる。
そして、コダーイ・システムを本格的に日本に導入して指導している松下耕氏の日頃の指導の成果で、複数の団体の混成チームである「耕友会」合唱団が見事に訓練されていることが客席からも感じ取れた。この基礎の上に、音楽上の表現やメッセージが「感動」になって聴衆に伝わっていくのだろう。
見事!
松下耕氏と耕友会の音楽活動、これからも応援!
2010年11月2日火曜日
ネルソンスが熱い!
■アンドリス・ネルソンス指揮、ウィーン・フィル
[2010年11月1日(月) サントリーホール]
ウィーン・フィルの来日公演の初日。
いま話題の指揮者、アンドリス・ネルソンス指揮を初めて聴いた!
ラトビア生まれの33歳。
体格が大きく、表情は明るくおおらか。
指揮もエネルギッシュで、やりたいことが明確に伝わっている。
名門ウィーン・フィルを、ある時は煽りたて、ある時は心地よく流しながら、表情豊かなど堂々たる演奏を披露。
久しぶりに聴くウィーン・フィルの実演を大いに楽しませてくれた。
プログラムは・・・・
モーツァルト:交響曲第33番
トマジ:トロンボーン協奏曲(独奏:ディートマル・キューブルベック)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
それにしても、カラヤンやベームと来日していた頃と違い、ウィーン・フィル来日公演の様子も随分と変わってきたもんだ。毎年のように来日しているから、もはや名門ウィーン・フィルを東京で聴くことに特別な感慨など不要になってしまったかのよう。その昔、カール・ベーム指揮の東京公演に出かけた時なんか、それはそれは異常なまでに精神が高揚していたもんで、客席も「一音たりとも聴き逃すまい」というような緊張感が充満していたもんだ。
それに比べ、なんと平静な雰囲気であったことか。
東京の音楽シーンの充実ぶりに、改めて感心。
アンコールには、「美しき青きドナウ」なんてものはややらず、ブラームス(ドヴォルザーク編曲)の「ハンガリー舞曲第20番」という、ちょっと変わった趣向。新世界交響曲がウィーン初演された際に、ブラームスとドヴォルザークが客席で並んで聴いたというエピソードを連想させ、心憎い選曲だ。
アンドリス・ネルソンスは来年の「東京・春・音楽祭」で、ワーグナーの「ローエングリン」を振りに再びやってくる。これは絶対に聴きものですよ!
[2010年11月1日(月) サントリーホール]
ウィーン・フィルの来日公演の初日。
いま話題の指揮者、アンドリス・ネルソンス指揮を初めて聴いた!
ラトビア生まれの33歳。
体格が大きく、表情は明るくおおらか。
指揮もエネルギッシュで、やりたいことが明確に伝わっている。
名門ウィーン・フィルを、ある時は煽りたて、ある時は心地よく流しながら、表情豊かなど堂々たる演奏を披露。
久しぶりに聴くウィーン・フィルの実演を大いに楽しませてくれた。
プログラムは・・・・
モーツァルト:交響曲第33番
トマジ:トロンボーン協奏曲(独奏:ディートマル・キューブルベック)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
それにしても、カラヤンやベームと来日していた頃と違い、ウィーン・フィル来日公演の様子も随分と変わってきたもんだ。毎年のように来日しているから、もはや名門ウィーン・フィルを東京で聴くことに特別な感慨など不要になってしまったかのよう。その昔、カール・ベーム指揮の東京公演に出かけた時なんか、それはそれは異常なまでに精神が高揚していたもんで、客席も「一音たりとも聴き逃すまい」というような緊張感が充満していたもんだ。
それに比べ、なんと平静な雰囲気であったことか。
東京の音楽シーンの充実ぶりに、改めて感心。
アンコールには、「美しき青きドナウ」なんてものはややらず、ブラームス(ドヴォルザーク編曲)の「ハンガリー舞曲第20番」という、ちょっと変わった趣向。新世界交響曲がウィーン初演された際に、ブラームスとドヴォルザークが客席で並んで聴いたというエピソードを連想させ、心憎い選曲だ。
アンドリス・ネルソンスは来年の「東京・春・音楽祭」で、ワーグナーの「ローエングリン」を振りに再びやってくる。これは絶対に聴きものですよ!
登録:
投稿 (Atom)
