2010年9月17日金曜日

老匠による端正な音楽

■ネヴィル・マリナー指揮、N響第1680回定期公演(Bプログラム)
[2010年9月16日(木) サントリーホール]

今月のN響定期の指揮は、ネヴィル・マリナー。
いまだに、アカデミー・セントマーチン・イン・ザ・フィールズ(アカデミー室内管弦楽団)の創設者というイメージがどうしても強いが、もう御歳86歳。堂々たる老マエストロだ。
3年前にN響定期でブラームスの交響曲第4番を指揮して、その滋味あふれる音楽に好感をもっていたので、今回の演奏会も楽しみにして出かけた。

曲は、
チャイコフスキー:幻想序曲「ハムレット」
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
ブラームス:交響曲第1番
というもの。

Cプログラムの1曲目は、シェイクスピアの「から騒ぎ」を元にした、ベルリオーズの歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲だから、シェイクスピアの国イギリスの指揮者として、コンサートのオープニングに“シェイクスピア物”を置いて特色を出したのだろう。こういうことが読み取れると、コンサート・プログラミングの面白さが実感できて楽しい。

演奏は、一言で言って「端正」そのもの。
しかし、決して折り目正しいだけで盛り上がりに欠けるかというと、そうではなく、音楽の自然な流れの中で、ちゃんと盛り上がっていく。
マリナーも御歳86歳。
“爺さん好き”な日本の聴衆は老匠に大喝采していた。

そうそう、チェロ協奏曲でソリストをつとめたアルバン・ゲルハルトが、ブラームスではちゃっかり2プルト目に座ってオケのトラをつとめていました。
自ら「志願兵」で乗り込んだのか、なんらかのアクシデントで生じた穴を埋める助っ人だったのかはわからないが、信頼するマエストロの棒の下でシンフォニーを楽しそうに演奏している姿が微笑ましいものでした。

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