2010年7月21日水曜日

「ヴェネツィアが燃えた日」


ヴェネツィアのフェニーチェ劇場で、ブリテンの「ねじの回転」を観たのは1992年の春のこと。
オペラの方は、当時は何だかさっぱり解らなかったが、劇場内部の豪華な装飾や、ヴェネツィアの運河や小路の奥のフェニーチェ劇場の佇まいなどは記憶に残っている。

そのフェニーチェ劇場が火災で焼け落ちたのが、1996年1月29日の夜のこと。
そのニュースに接して、少なからずショックも受けたのを覚えている。

この本は、アメリカのジャーナリスト、コラムニストのジョン・ベレントが、火災の3日後にヴェネツィアを訪れたところから始まる。

火災にまつわる虚々実々、ヴェネツィアに集まる不思議な人々やアメリカの慈善団体。それらを取材したノンフィクションである。本の扉裏にも「登場するすべての人々は現実に存在し、それぞれ本名で示されている」とある。
事実は小説より奇なり!
フィクションだったら、とても嘘っぽっくなてしまうような事が、現実のヴェネツィアでは日々繰り広げられているのだ。

10年ほど前には、ヴェネツィアのアパートメントで数日間「プチ生活」をしたこともある。 だから、ヴェネツィアで「壁に耳あり障子に目あり」といった事態に遭遇した経験も。 あの街の特殊性から来る「魅力」を改めて実感できた。

ヴェネツィアを訪れたことがない人には、ピンと来ない点もあるかもしれないが、一度でも訪問したことがある人にとっては、格別面白く読めるオススメ本です。

0 件のコメント:

コメントを投稿