■アシュケナージ指揮N響定期
[2010年6月16日(水) サントリーホール]
いやはや超高速運転のマーラーだった。
曲は交響曲第6番「悲劇的」。
冒頭の行進曲風な出だしから、アシュケナージはオケを煽りたてて突き進む。
なにも、そんなにまで急がなくてもいいんじゃないの???
それは「躍動感」というよりも、むしろ「せっかち」といったほうがふさわしい速さ。
(彼の指揮姿も、どこかギクシャクしたせっかちな振り方だから、見た目が音楽に見事に反映!)
第1楽章が終わったときなんか、思わず笑いが出てしまった。
第2楽章と第3楽章は、通常の順番を入れ替えて演奏。
プログラムの挟み込みには
「第2、3楽章の順番については音楽学者のあいだでも論議されており、マーラー自身の結論が証明されていないことから、現在ではどちらの順番も演奏されています」
とある。
ふ~ん、そうだったんだ。
でも、普段聞いてる順番のほうが、しっくりくるなあ。
それにしても、スケルツォなんか速過ぎるよ。
耽美的に歌い上げる演奏じゃないから、管楽器軍団など威勢よく咆哮する。
威勢がいいのはいいんだが、もう少しマーラーの「響き」とか「歌」に浸っていたい気がするが、そんなことにはお構いなしに、シャカシャカと演奏は進む。
そして、終楽章も相変わらずのスピード違反高速走行。
ドカン!ドカン!と運命のハンマーを2回振りおろし、せっかちに早口でまくしたてて演奏は終了。
全体として、「悲劇的」というよりも、「悪魔の行進」のようなグロテスクなマーラー第6交響曲でした。
(あ、この曲に関しては、グロテスクさが感じられたということは、表現の方向性としては間違ってなかったということなんだろうか・・・)
演奏が終わって、アシュケナージは一人満足そうに嬉々としていたが、楽員のみなさんや他のお客さんはどうだったんでしょうねぇ。
私といたしましては、この方向性で表現されるのなら、アシュケナージのマーラー演奏の積極的な聴衆には今後なりたくないなぁ・・・という感想を抱いた次第であります。
さっさと帰ろう!
と、思わず速足でホールを後にして帰ってきました。

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