■アルディッティ弦楽四重奏団
[2010年6月25日(金) 津田ホール]
「極めつきの現代音楽“大使”」(公演チラシから)、アルディッティ弦楽四重奏団のコンサートを聴く。
早朝のサッカーW杯日本×デンマーク戦のTV観戦でボ~ッとした頭を濃いコーヒーで覚醒させ、いざホールへ。
弦楽四重奏という、ある意味最も「伝統的」「古典的」な編成から繰り出される演奏表現の多様さに期待!
プログラムはまず、湯浅譲二、石井眞木という大御所作曲家の作品から。
湯浅作品(「プロジェクション」)は1970年、石井作品(「弦楽四重奏曲『西・金・秋』)は1992年という、ちょっと「昔」の作品だが、「音」の可能性を真摯に開拓し、音楽としての新しい地平を提示してくれた大家たちの音楽は、今もって極めて刺激的で新鮮だ。
続く、パスカル・デュサパン「弦楽四重奏曲第5番」は2004-05年の作。強烈なピチカートで始まる曲だが、「現代音楽」の持っていた前衛性、実験性がいい意味で和らいで、聴いていてどこか心がなごむような瞬間すらある。
休憩後は、ハリソン・バードウィスルの弦楽四重奏曲「The Tree of Strings」(2007)。演奏時間は30分程にもなろうか。かなりの大作だ。ステージ後方の壁沿いにも椅子と譜面台が置かれていて、曲の後半、演奏者たちは次々と後方に場所を移して演奏し、やがて一人また一人と退場していき、曲が終わる。この視覚的な効果も面白い。
盛大な拍手にこたえて、アンコールには、アーヴィン・アルディッティが「古い作品を演奏します・・・リゲティ」とアナウンスして、ピチカートを多様した曲をプレゼント。
客席も熱い拍手で盛り上がっていた。
というわけで、現代音楽“大使”たちの演奏を聴いて、今日も、「美しい」現代音楽を堪能。
私は、演奏家でも研究者でもないから、今日演奏された曲が100%「解る」かと問われれば、そんなもんちっとも「解らない」ですよ。でも、会場で実演を観て聴いていると、確かに「楽しい」し「面白い」し、何かを感じ取ろう、何を言わんとしているのだろうか、と心を表現者たちに近づけていこうとしている。作品や表現者との「対話」があるのだ。
そして解らないながらも、五感を通じて何かが心に響いた瞬間、「美しいなぁ~」を感じるのである。
このような刺激的な体験があるから、演奏会通いはやめられないのである。

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